医療や福祉の分野ではかなり前から使われていた「well-being」。
SDGsの3つ目のゴール「Good Health and Well-being」に使われることで、より多くの人に馴染みのある言葉となったようです。
私たちの人生をより豊かに、意義のあるものとしていくために欠かせない概念であるwell-being(ウェルビーイング)について、その意味を整理してお伝えします。
well-being は辞書に何と書いてある?
日本では「幸せを意味する」としばしば紹介されるwell-being。
まずはその意味を英語圏の辞書で確認しましょう。
ケンブリッジ辞書:「健康かつハッピー(幸せ)だと感じている状態」
Wellbeing [ noun ]
the state of feeling healthy and happy:
Cambridge Dictionary
オックスフォード英語辞書:「快適で、健康またはハッピー(幸せ)な状態」
Wellbeing [ noun ]
the state of being comfortable, healthy or happy.
Oxford English Dictionary
英語圏の代表的な辞書2つで調べてみました。
微妙に異なりますが、意味するところは大体つかめるのではないでしょうか。
WHOによる健康の定義
世界保健機関(WHO)がその憲章で「well-being」という言葉を使っています。
そのこともあって、医療や看護の分野ではかなり前からウェルビーイングという言葉は馴染みのある用語となっていました。
1947年、WHOが採択したWHO憲章では、前文において「健康」を次のように定義しています。(下線筆者)
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
WHO Constitution
これを、日本WHO協会が次のように訳しています。 (下線筆者)
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
日本WHO協会 健康の定義
ここでは「well-being」は「すべてが満たされた」という意味で使われています。
SDGsのWell-Being
すっかり有名(?)になったSDGs、その3つ目の目標は「Good Health and Well-being」です。
これがどのように訳されているかというと、「すべての人に健康と福祉を」。
SDGsの「Well-being」は「福祉」なのです。
では「福祉」とは何でしょうか。
多くの人は、行政やその管理のもとにある福祉サービスを思い浮かべるのではないでしょうか。高齢者や障がい者の介護、知的障がい者の福祉施設、生活保護、等々・・。
実は「福祉」には、「しあわせ、幸福」という意味もあります。
回りまわって、ウェルビーイングが「幸せ」になりました。
(つづく)
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